もくじ
便利で効果の高い薬「ステロイド剤」
ステロイド剤は一部では魔法の薬とも例えられるほど,便利で効果の高い薬であり,アトピーでお悩みの方が,皮膚科を受診すると,ほぼ処方されるので使ったことのある方も多いのではないでしょうか?
しかし,このステロイド剤ですが,様々な副作用があることが広く知れ渡っているため使用に抵抗がある人もいるようです。
漢方薬も含め,すべての薬に副作用はある。
この「副作用」についてですが,意外と誤解してる方が多いのですが,
薬の副作用は何もステロイドに限ったことでなく,どんな薬にも必ず存在します。
副作用が全く無いイメージの強い「漢方薬」にも副作用はあるのです。
ただ,ステロイド剤の場合は
最強クラスのステロイド剤を誤った使い方で使い続けると命を奪いかねないリスクがあるために
「ステロイド剤=恐ろしい副作用」
というイメージが根付いたのだと思います。
「副作用があるから全ての薬は使うのをやめましょう。」
と掲載する健康情報サイトも見かけたりしますが,副作用があるからと薬の使用を避けるとこの世の中の全ての薬を否定することになります。
薬は使用方法を誤らなければ比較的安全ですし,場合によっては必要だと考えます。
薬は長期間使うことにより副作用のリスクが高まる。
薬は一時的に症状を抑えるのに大変効果が高く便利ですので,そういった使い方ならステロイド剤を含めたほとんどの薬のは,さほど問題はないのです。
ところが,ステロイド剤のような効果の高い薬ほど副作用が強いにも関わらず,その効果の高さから長期間使い続けたりするのです。
この長期間使用することに問題があるんです。
ステロイド剤を含めた多くの医薬品を取り扱う医薬品メーカーのホームページにもステロイド剤の使用に関して以下のような記載があります。
長期間使用しない:5~6日間使用してもよくならない場合は使用を中止してください。
通常は1日1~2回の塗布:よくなってきたら回数を減らすか、ノンステロイドタイプの皮膚用薬に切り替えましょう。
参考 ステロイド外用剤の上手な使い方第一三共ヘルスケア株式会社
自分の意思とは関係なく皮膚科で処方され続けることも!?
しかし,現実はアトピーで悩む多くの方が,自らの意思や皮膚科の医師の指示により,長期に渡ってステロイド剤を使用しています。
これが後々どういうことになるかというと・・・。
そして最強クラスのステロイド剤の使用を始め,それすらも効き目が弱くなると内服薬を使用するようになり,やがてアトピーだけでなく,その副作用にも苦しむことになる・・・というのが最悪のシナリオです。
・・・ですが,実際は僕の経験上では最強クラスのステロイドを使用してる方にはまだお会いしたことはありません。
前述したように「ステロイド剤=恐ろしい副作用」というイメージが巷に根付いているせいか,さすがに最強クラスのステロイドを使用してさらに副作用に悩まされてる方は,以前より少なくなってるのではないでしょうか?
かなり強いステロイド剤を使用しても効き目が弱くなった時にとる行動とは?
しかし,ここで一つの疑問が生じます。
上から2番めのクラスの強さのステロイド剤を使用していて効き目が弱くなってきた人が,最強クラスの使用を選択しなかったらその人はどういう行動をとると思いますか?
「アトピー性皮膚炎」と「ステロイド依存性皮膚症」
かなり強いステロイド剤を使用していて,それすらも効き目が弱くなると多くの方が,ステロイドの使用をやめる決断をします。
しかし,この頃には長期に渡ってステロイド剤を使用してきたために
「アトピー性皮膚炎」に加えて,「ステロイド依存性皮膚症」
という2つの症状を患っていることになり,ステロイド剤をやめるということはその2つと戦うことになるのです。
ステロイド依存性皮膚症の状態で外用を中止すると,ステロイド剤の依存度が高いほど離脱症状が強く出ます。
これまで,かなり強いステロイド剤を使用しないと耐えられないほどのかゆみと炎症だったのに,それを薬で抑えることをやめる選択を選ぶことになるのですから,相当辛く苦しい選択となります。
この頃になってから脱ステロイド・脱保湿をするとリバウンドもかなり激しく,かゆみで寝れない日も出てきます。
そうした苦難を乗り越え,やがて「ステロイド依存性皮膚症」を克服し,本来の「アトピー性皮膚炎」だけになり,その後は整体や日常生活の改善で内臓機能や皮膚の再生機能が正常に戻り,アトピー性皮膚炎は根本改善していきます。
ステロイド剤の使用を中止するならなるだけ早い段階で!
ステロイド剤はアトピーの症状を一時的に抑制してるだけであり,完治することはありません。
長期に渡ってステロイド剤を使用していて,段階的に強さを強くしている方は,上記の事実に気づいて,なるだけ早い段階でステロイド剤の使用を中止すべきです。
適切な処置をすれば,早い段階であればあるほど,離脱症状も弱くなりますし,改善までの期間も短くなります。
また当店では,こうした離脱症状をなるだけ抑えるように日常生活のアドバイスや施術で対応しています。