もくじ
股関節は本来は可動域の大きい関節なのですが・・・
股関節は可動域の大きい関節で,身体を動かすときに思ってる以上に仕事をしてるんです。
例えば,こうして立った状態で身体をひねった時・・・
この時,腰を捻ってるように思えるけど,実は 腰の骨の関節 (腰椎)はあまり動いておらず,股関節や胸椎(胸のあたりの背骨)が動くことによって振り返ることができているのです。
というのも腰椎の関節は,一般的に思われているよりも動く範囲(可動域)が少なく,それよりも股関節や胸の骨(胸椎)の関節の方が可動域が広いため,前述した動作は胸椎の関節や股関節の関節の動きによって出来てるのです。
では,その股関節の動きが悪くなるとどうなるのでしょうか?
股関節の動きが悪く(硬く)なると,前述したような日常的な動作をするのに腰椎の関節が動きを助けるようになります。
元々,そんなに可動域の広い関節ではないのに,日常的なちょっとした動作でも腰椎の関節が頑張ってしまうため,腰に大きな負担がかかることになるんです。
例えば,お辞儀をしたとき・・・
こうして,股関節からしっかり曲げてお辞儀をすると腰に負担が少なくて済むはずなのです。
しかし・・・
こうして,股関節をあまり曲げずに腰や背中に負担をかけるお辞儀をしている人がすごく多いのです。
このように日常のちょっとした動作でも,股関節が硬いと腰や背中の負担が大きくなって腰痛の原因となり得るのです。
アフリカ人は膝があまり曲がらないから股関節がよく動く
アフリカの人は膝があまり曲がらず,日本人のようにしゃがんだりすることが出来ないため,床を雑巾がけしたり,農作業など行う時は,下の写真のように腰を曲げて行います。
ところが,腰痛などはなく,長時間のこうした作業をしても腰が痛くならないそうなんです。
その理由は,この写真を見れば一目瞭然ですね。
腰を曲げて一見つらそうな姿勢に見えますけど,腰や背中は真っ直ぐに伸びていて,軽く膝を曲げて股関節がしっかりと曲がっていて,腰や背中への負担を減らしているのがわかります。
他の写真を見ても,皆さんきれいな姿勢で作業してますよね。
生活の欧米化が股関節の動きを硬くした!?
元々日本人の生活は,
畳の部屋に座布団敷いて,ちゃぶ台囲んで一家団欒,トイレは和式
という生活だったですが・・・
最近では,すっかり様変わりして,どこの家庭もテーブルと椅子で食事,トイレは洋式という生活へと変化しました。
こうした生活環境の変化が日本人の股関節を硬くした要因と言われています。
実際,最近では和式トイレで用をたそうと思っても,しゃがむことが出来ない人もいるそうです。
そういえば,こんな人たちも最近見なくなりましたよねぇ。
この人らは腰痛はなかったかもしれません。
というのも,この座り方で腰痛が治ると仰ってる先生もいるくらいですから。
あなたの股関節はしっかり動いてますか?
ここでは簡単に股関節の柔軟性をチェックしてみましょう。
下の絵のように仰向けに寝て片方の足を真っすぐ伸ばし,反対側の膝を抱えてみましょう。
しっかり膝が抱えられたらOK
伸ばした脚が浮いてしまうのはNG
他にもいくつかチェックする方法があります。
腰痛や股関節が気になる方は,一度チェックしてみてはどうでしょう?
参考 50代のストレッチ③「関節」の柔軟性をチェック<股関節、膝関節>LINE NEWS
どこへ行っても腰痛が改善しなかった方は,このように原因が腰ではなく股関節だったりします。
もちろん,原因が股関節以外の場合もありますが,股関節はその中でも腰痛の原因として多い部位でもあります。
また,今は腰痛がなくても,股関節が硬いと後々腰痛になる可能性がありますので股関節の硬い方はご注意ください。