もくじ
産後は骨盤が開いたままになる?
そんなイメージを持ってる方も多いかもしれませんが,実はそれは大きな誤りです。
骨盤は簡単に開いたりしないんです。
骨盤に対してどんなイメージ持ってますか?
ここでは,骨盤の構造について簡単に説明しますね。
骨盤の構造
骨盤は大きく分けて3つの骨で構成
ざっくり分けて骨盤は左右の大きな
【寛骨】
という骨と真ん中の
【仙骨】
の,3つの骨で構成されています。
骨盤が開くとしたら,その場所は2箇所だけ。
骨盤は構造的には,左右の
【仙腸関節】(青い部分)
と
【恥骨結合】(赤い部分)
の2箇所だけが,骨と骨を繋いでる箇所になります。
でも骨盤が開くって言われてこんなイメージもってませんか?
構造から考えて,もし,骨盤が開いてるならこの絵のような状態になるってことですよね?
実際に骨盤が開いてると言われて不安になった方もこんな状態をイメージしていたのではないですか?
実はこれが ”デタラメ” なんです。
普通に暮らしてる人の骨盤がこんな状態になることはありえないんです。
なぜなら骨盤がこんな状態だと歩くどころか立つことさえ出来ませんから。
出産時は,こんな風に骨盤が開くと思っていませんか?
出産時にこの絵のように骨盤が大きく開くと思ってる方もいますが,これも大きな誤りです。
出産時でも,骨盤は開きません。
出産時に骨盤が
”徐々に開いていく”
とか
”大きく開く”
というのは全くの誤りで,出産時に場合によっては恥骨結合(赤印)の部分が開くことはありますが,それでも僅か10mm程度と言われています。
この恥骨結合が開いた状態を”恥骨結合離開”と言いますが,この状態になると立てるか立てないかという状態であり,当然歩行は出来ません。
骨盤の仙腸関節は体重を支えるための重要な部位
また,仙腸関節 (青い部分) は,重い上半身の体重を支えている関節であるため,つい最近まで「不動関節」,つまり動かない関節と言われてきました。
※ 最近の研究では,2~3mm程度は動いていることがわかってきたようです。
この仙腸関節が,見たり触ったりしてわかるくらい開いてたら人は立つことすらできません。
解剖学的にも骨盤が開くことは考えられません。
仙腸関節は不動の関節と言われているほど,堅固な関節なのでその事実だけでも開くことは考えにくいのですが,さらにいうと骨盤は靭帯という組織でガッチリ固められてます。
この上にさらに大臀筋をはじめ,たくさんの筋肉で覆われています。
これでは骨盤が開いたりするのは,ほぼ無理ですよね。^^;
さいごに・・・
実は骨盤が開くときもある!?
以上のことからも,骨盤が開くって事がありえない事だとわかっていただけたかと思います。
しかし,骨盤が開くことはゼロではなく,まれに開くことがあります。
それは,どんな時かというと
交通事故や転落などの事故にあったときです。
不幸にもそうした大きな事故に遭遇したときに骨盤が開いたりすることがあります。
本当の骨盤矯正
当然,そうなったときは大怪我ですので一刻も早く病院へ行き,骨盤矯正などの治療をしてもらう必要があります。
そうです。
骨盤矯正という言葉は本来こうして何かのトラブルなどで骨盤の形が変わってしまったものを元の状態に戻す際に使われる言葉なのです。
ウソとデタラメばかりの(産後)骨盤矯正
骨盤矯正を謳っている整骨院や整体院に行ったときに,そこの先生が骨盤を触って
あなたは骨盤が開いてますね。
当院でしっかり骨盤矯正を行えば,骨盤がしっかり閉じますよ。
そのためには20回くらいの通院が必要です。
ここの記事を読んだ方ならこのセリフがいかにデタラメかわかってくれたと思います。
こんなことをいう整骨院や整体院に騙されないように気をつけてくださいね。