前回の記事では,
慢性的な肩こりを考えるときには,
肩の筋肉だけではなく,
その筋肉を動かし,
身体からの情報を受け取り,
処理している神経系まで含めて考える必要がある・・・
ということを書きました。
では,
そのために何をすればいいのでしょうか?
もくじ
筋肉は自分で勝手に硬くなっているわけではない。
肩こりで僧帽筋などが硬くなっていたとしても,
筋肉が自分の意思で
「今日は硬くなろう」
としているわけではありません。
筋肉の緊張や動きには,
神経からの指令が関わっています。
また反対に,
筋肉や関節など身体のさまざまな場所からも,
絶えず神経を通して
情報が脳や脊髄へ送られています。
つまり身体は,
神経から筋肉への一方通行ではありません。
身体から神経へ情報が入り,
その情報をもとに神経系が反応し,
また身体へ指令を出す・・・。
このやり取りを繰り返しています。
だから当店では,
硬くなっている筋肉だけを直接揉み続けるよりも,
「身体から神経系へ入る情報そのものを変えること」
が大切なのではないかと思うのです。
首・背骨・骨盤の重要性
当店の施術では,
肩こりだからといって,肩を強く揉んだり,
硬い筋肉を無理に伸ばしたりすることはありません。
主に確認するのは,
首・背骨・骨盤など身体全体です。
そして,
バキバキと音を鳴らすようなことはせず,
身体を軽く揺らしたり,
手を添える程度の
非常にやさしい刺激で調整していきます。
首や背骨,骨盤周辺には,
筋肉や関節などから
多くの感覚情報が神経系へ送られています。
そこへ適切な刺激を加えることで,
神経系の反応にも変化が起こる可能性があります。
実際,2025年に発表された
システマティックレビューでも,
脊椎に対する徒手療法によって,
痛みの感じ方や中枢神経系,自律神経系などに
短期的な変化がみられる可能性が報告されています。
ただし,
ここは,とても大切なところですが,
「首や背骨,骨盤を調整すれば神経が整い,肩こりが治る。」
と医学的に証明されているわけではありません。
徒手療法によって神経系に
変化が起こる可能性は示されていますが,
それが実際の症状改善に
どの程度関係しているのかは,
まだ十分には分かっていません。
大切なのは施術後の「身体の反応」
そのため当店では,
「この骨がズレているから肩がこる。」
「ここを調整すれば必ず治る。」
といった考え方はしていません。
実際に施術を行い,
その前後で,
身体の動きや筋肉の緊張などに
どのような変化が起きるのかを確認しています。
大切なのは,
どこを揉んだかではなく,
「身体がどう反応したのか?」
だと考えているからです。
肩がこったら肩を揉む・・・とは違う視点を!
「肩がこったら肩を揉む」
これは,とても分かりやすい方法です。
また,それで楽になり満足しているのであれば,
マッサージも一つの選択肢だと思います。
しかし,
何年も肩を揉み続けているのに,
数日するとまた元に戻る。
それでなく,
首の痛みや頭痛,
眼精疲労や疲れやすさなど,
他の不調まで繰り返している・・・。
そんな方は,そろそろ
「硬くなった肩をどうするか?」
ではなく,
「なぜ身体が,その状態を繰り返しているのか?」
という視点で考えるべきではないでしょうか?
肩だけを揉むのではなく,
身体全体と神経の働きまで含めて考える・・・。
それが,
当店が肩こりでも肩を揉まない理由です。
