もくじ
身体の不調が無い時は締めなくてもいいのです。
前回の続きです。
前回は・・・
- 骨盤ベルトは一時的にサポートする補助具なので着け続けることはやめましょう。
- 身体の不調も無いのに骨盤ベルトを着け続けると靭帯や筋肉の力が低下し,結果的に思わぬ不調になることも。
- 骨盤ベルトに限らず,ストレッチもそうですけどやる理由がはっきりわかっていないことはやらない方が良いです。
というように,骨盤ベルトを着け続けることの弊害を述べました。
ここで誤解しないでほしいのは,骨盤ベルトを否定してるのではなく
【必要もないのに着け続けることが良くない】
ということをお伝えしたかったのです。
では,どういうときが必要とするときかと言うと,
【腰や股関節が痛いなど身体の不調があり,日常生活に支障が出てるときなどです。】
このような時は身体を一時的にサポートする意味で骨盤ベルトをすると良いでしょう。
ところが・・・
骨盤ベルトを間違った位置にしてる人が多いのです。
マタニティ専門家のサイトでも間違いだらけの記事が・・・。
なんでこんなに間違った位置にしてる人が多いんだろうと疑問に思い,ネットで検索してみたら・・・
なるほど,原因がわかりました。
ネットには誤った情報が溢れかえっていて,しかも,驚くべきことにその誤った情報が
専門家監修とした「妊娠・出産・子育てに関するサイト」
でも見受けられたのです。^^;
具体的なサイト名を上げるのは避けますが,例えば
「専門家による某妊産婦のためサイト」
というサイトには骨盤ベルトの正しい締め方としてこう書いてあります。
まぁ,恐らく
「妊娠中は骨盤の開き(恥骨結合離開)を防止するために骨盤ベルトを締めましょう。」
ということなんですけど,言おうとすることはわからなくもないのですが,妊娠中は確かにこの恥骨結合がホルモンの影響で通常より開きます。
開くと言っても僅か7~10mmであり,出産時にさえ恥骨結合は10mm以下しか開かないと言われています。
10mm以上開いた場合を恥骨結合離開と診断され,しかもその発生率は0.26%と稀なのです。
これは多くの医療関係者のホームページやブログで確認できます。
恥骨結合距離は通常2~6mmであり,妊娠末期はプロゲステロン,リラキシン等の影響で7~10mmと開大するとされ,10mm以上で恥骨結合離開と診断される。恥骨結合離開の発生率は0.26%と稀であり,さらにはその約半数が動揺性や疼痛の残存といった恥骨機能不全を認める。
中部日本整形外科災害外科学会雑誌
参考 産前産後の母に関わる医療従事者のための入門ブック産前産後の母親に関わる全ての医療職者のためのサイト
参考 創外固定で治療した出産に伴う恥骨結合離開の1例中部日本整形外科災害外科学会雑誌
この僅か0.26%の発生率である恥骨結合離開を防止するために骨盤ベルトを締めるってどうなんでしょう?
しかも,大転子付近に骨盤ベルトを締めたら股関節の動きが制限されてしまって動きにくいだけならまだしも,動きが制限されるせいで別の箇所が痛くなったりしそうですが・・・。
また,恥骨結合離開は主に出産時の大きな負荷によって引き起こされます。
それが妊娠中の骨盤ベルトの着用で果たして防げるのでしょうか?
というように,これだけでも首をひねってしまうことなのに,さらにびっくりするようなことが書いてあります。
これに関しては,どういう理屈なのかさっぱり理解できません・・・。^^;
専門家と名乗った人ですらこんなデタラメな記事を書くのですから,妊婦さんが間違うのも無理ありませんね・・・。^^;
骨盤ベルトを締める時の正しい位置
では,ここで正しい骨盤ベルトの締め方(位置)をその理由とともに説明したいと思います。
まず,別ページでも解説しているように,妊婦さんの腰痛や股関節痛などの身体の不調の原因と言われてるのは
仙腸関節の緩みです。
この関節の緩みが骨盤のバランスの崩れを引き起こします。
それが元で身体のバランスが崩れ,思わぬ箇所にこれまで以上の負荷がかかるようになり様々な身体の不調を引き起こすのです。
となると,骨盤ベルトを締める位置の答えはおのずと出てきますね。
身体の不調は仙腸関節の緩みが原因なのですから,
上記の専門家という方の言う,「間違った締め方」と言ってた締め方が
正解の締め方です。
骨盤ベルトの正しい締める位置を説明しましたが,くどいようですが骨盤ベルトはあくまで緊急用の補助具ですから
- 身体の不調が無い時はしなくていいです。
- 不調があるときでも必要時以外は外しましょう。
この2点はご注意ください。
このような場合は当店など専門機関にご相談を。
そしてこれも大事なことですが,
- 骨盤ベルトを正しい位置に締めても腰痛や股関節痛など身体の不調が改善しない。
- 骨盤ベルトを外すと痛みが出るので長期間骨盤ベルトの使用を続けている。
上記に心当たりのある方は,骨盤ベルトやストレッチなど自己流では対処できない状態になってる可能性がありますので当店のような専門機関にお気軽にご相談ください。