もくじ
妊婦さんの骨盤の状態とは?
妊娠中は体重や体型の変化に加え,「リラキシン」というホルモンの影響により骨盤の骨と骨をつなぐ「じん帯」がゆるみやすくなります。
骨盤のじん帯がゆるむことによりやがて体重を支える仙腸関節という関節にゆがみが生じてきます。
これがいわゆる「骨盤がゆがんでいる」状態です。
これは妊婦さんに限らず,普通の方でもこの状態になることが多く,そのまま何もしないでおくとやがて様々なお身体の不調が出ることがあります。
しかし,妊婦さんの場合は前述したように体重や体型の急激な変化やホルモンの関係で特に
「骨盤のゆがみ」
が起こりやすくなっているのです。
身体の土台である骨盤が不安定だと全身に影響を与えます。
骨盤は体重をしっかり支える構造になっていますが,その骨盤の体重支持部である仙腸関節が不安定になると上半身にフラつきが出てくるんです。
当店でも初回の方は必ず最初に姿勢分析をしますが,骨盤が不安定になってる方はユラユラと左右に揺れていることが少なくありません。
ユラユラ揺れていると脳はこの揺れを止めようとして身体の筋肉を緊張(固めて)させます。
これが,肩や首,背中のコリや痛みの原因となるのです。
今まで肩こりなど無かった方が妊娠すると急に肩がこるようになるのはこのためなんです。
マッサージは一時的な緩和であり,やりすぎると悪化することも。
前述したように身体を揺れから守るために,体中の筋肉が緊張して固めてコリをつくっています。
これをやみくもに揉んだりしてゆるめようとすると,脳は直ちに身体のふらつきから守るために再び筋肉を固めようとするので,これがやがてコリを戻すことになり,しばらくするとまた元の状態に戻ってしまいます。
こんなことを何度も繰り返すと脳は揉んだくらいでは簡単には緩まないようにと,より固く強く筋肉を緊張させるようになるため,結果的に肩こりを悪化させることになるのです。
肩こりに限らず,コリや痛みは必ずそうなった原因があります。
妊娠中だから仕方がない,その場しのぎでいいから揉んで楽になりたい・・・
そう思ってる方,諦めてはいけません。
妊婦さんの肩こりも揉んだりすることよりも,まずは骨盤をしっかりと調整して安定させましょう。
そうすることにより,肩こりだけでなく骨盤のゆがみが原因ならば腰や股関節,お尻などに痛みもスッキリと解消されることが期待できるのです。