もくじ
意外と知られていない骨盤の事
「骨盤がゆがんでる」って言われて思い浮かべるのは,こんなイメージじゃないでしょうか?
もしくは・・・
これらを「骨盤のゆがみ」と思ってる方が多く,また整骨院や整体院でもこれらを「骨盤のゆがみ」と定義してるところが多いみたいですね。
中には「骨盤が開いてる」ことを「骨盤のゆがみ」としてる論外な整骨院や整体院もあるみたいですが・・・。^^;
でも,本当の意味での「骨盤のゆがみ」とは
「仙腸関節」のゆがみが「骨盤のゆがみ」です。
仙腸関節とは,下の絵の青い部分を指します。
見てわかる通り,上半身の全体重を支えている,いわば身体の土台となっている重要な関節であり,この仙腸関節がゆがむと身体の土台にゆがみが生じるために
このように「骨盤のゆがみ」つまりは「仙腸関節のゆがみ」によって様々な不調が起きるのです。
実際にここまで背骨が歪んでいたら「側弯症」となります。
仙腸関節が不安定になることです。
この「仙腸関節」という関節ですけど,最近まで不動関節,つまり動かない関節と思われていたのです。
しかし,今でも日本の多くの医師の方は「仙腸関節は動かない」としてるので,病院へ行って骨盤のゆがみを診て欲しいと言ったら追い返されると思います。(笑)
仙腸関節は2~3mmほど(3~5mmという説も)しか動かないため,外見はもちろん,レントゲンやCT,MRIなどの画像検査でも仙腸関節の動きはほとんどわからないのです。
また,解剖実習等でも御献体の仙腸関節を剥がそうと思っても堅固に固着してて全く剥がれようとしないケースが多く,そのため,医療の世界では長い間不動関節と呼ばれていたのです。
仙腸関節とは四足動物の腰帯を構成する骨盤の仙骨と腸骨をつなぐ関節。3 – 5mm ほどの可動域しかないため外見や画像診断でもほとんど動きが判らない。日常生活では脊椎のバランスに関係すると考えられている。出産した女性の腰痛の原因とひとつとなるともいわれている。
ウィキペディアより
カイロプラクティックでは以前から仙腸関節は動くとされていた。
ところが,カイロプラクティックの世界では数十年前から,この仙腸関節が動くと考え・・・というより,仙腸関節が動き,そして動きが悪くなったり,逆に動きすぎてると仮定して施術を行ってきたのです。
「なんだ・・・仮定の話か・・。」
と,思う方も多いかと思いますが,しかし,この「仙腸関節が動く」としないと説明がつかないことが,我々臨床の現場では度々起きているんです。
日本でも一部の医師の方が仙腸関節に着目しています。
現在,日本でも医師の方が中心となって平成21年11月に「日本仙腸関節研究会」が発足していて,この研究会に所属する病院では腰痛や足の痛みは,「仙腸関節障害」が主な原因としています。
参考 日本の医師の方が発足した日本仙腸関節研究会のサイト日本仙腸関節研究会
「日本仙腸関節研究会」の会員の病院での治療は,仙腸関節対して安静,鎮痛剤(痛みどめ),骨盤ゴムベルトといった保存的治療を主に行います。
また,AKA-博多法という徒手治療も行ってる病院もあります。
「関節運動学的アプローチ、AKA(Arthrokinematic Approach)とは関節運動学に基づき、関節の遊び、関節面の滑り、回転、回旋などの関節包内運動の異常を治療する方法である。」
小難しい書き方してますけど(^^;,簡単に説明すると手技で関節の動きを治療する方法であり,「仙腸関節」に対しても上記のような鎮痛剤やゴムベルトに頼らず,手技で関節の動きを治療していきます。
上記のように仙腸関節は2~3mmほど(3~5mmという説も)しか動かないため,外見はもちろん,レントゲンやCT,MRIなどの画像検査でも仙腸関節の動きは,ほとんどわかりません。
画像検査でもわからないものを手で触れて正確に診断するのは,かなり難しく,よほど熟練した方か名人と呼ばれるような方でないと無理なのです。
AKA-博多法もホームページに「修得が難しく、簡単に身に付くものではありません。」としています。
それだけ骨盤の触診は難しいのです。
わかりません。(笑)
ここはためらいなく正直に言わせていただきました。(笑)
上記のように仙腸関節は数ミリしか動かないのに,さらに骨盤の上には筋肉や皮膚など軟部組織も乗っかっていて,それを10年ほどの経験しかない僕が触診で正確な診断など出来るはずがありません。
でも,巷には骨盤矯正を売りにしている整骨院や整体院がたくさんありますが,中には年端も行かぬ若い施術者が骨盤矯正を売りにしていたりします。
果たして,正しく骨盤の検査や施術が出来てるのか疑問に思うとこですが,それはさておき,では,当店では骨盤調整はできないのか?
と聞かれたら胸を張って「出来ます。」とお答えしています。
何やら矛盾してるようですけどこれには理由があるのです。
なぜなら・・・
仙腸関節に異常があると様々な反応点が現れるのです。
前述したように,骨盤の仙腸関節が不安定になると身体のバランスが崩れるため身体の色んな箇所に様々な反応が現れます。
これをカイロプラクティックの本場であるアメリカのあるドクターが数十年前に発見したのです。
東京の有名治療家の方も同様の発見をしました。
また東京の今も現役でご活躍されている著名な治療家の方も,同様の発見をし,骨盤(仙腸関節)が不安定な状態にあるとある箇所に痛みが発生することを見つけたのです。
当店ではこれらの反応を確かめながら,骨盤を検査し,施術を行い反応が変化をすることを確かめながら行うために,骨盤を正しい状態へ調整することが出来るのです。
「日本仙腸関節研究会」で行う治療の,安静,鎮痛剤(痛みどめ),骨盤ゴムベルトといった保存的治療に加え,AKA-博多法などの治療法の効果の程はよくわかりませんが,数年前までは,骨盤のゆがみ(仙腸関節が不安定)はカイロプラティックや整体の世界だけで言われてきたことであり,医療の世界では
「骨盤がゆがむ?そんなことありえない。仙腸関節が腰痛の原因?そんなバカな!?」
と,言われて続けてきたのに上記のように一部の医師の方たちが,仙腸関節に着目するようになってきたのです。
その他にも稀なケースですが,カイロプラクティックを行ってる病院もあるように,医療の世界と我々の行う民間療法との距離が少しずつ狭まってきてるのかもしれませんね。
ところが・・・
上記のように医療機関が我々臨床の現場に出てる側の考え方に近づいてきてるのは確かですけど,骨盤はまだまだわかっていないことが多く,そのためか,
「骨盤矯正」,「骨盤エクササイズ」,「骨盤体操」,「骨盤ダイエット」など,医学的にもカイロプラティックとしても根拠の乏しい情報が氾濫しています。
特にプロポーションに敏感な女性や産後の不安を抱えるママさんを煽るような,上記のような骨盤に関する情報を「骨盤ビジネス」と呼んでいます。
前述しましたが,骨盤の状態を目で見たり手で触ったりして診断するのはかなりの熟練した技術を要するのに,これだけ巷に「骨盤」に関する情報や施術が溢れているのは不思議ですよね?
参考 高須克弥先生が骨盤ダイエットを完全否定しています。流行のダイエット法はインチキ?効く?医者が明かすヤバイ真実
骨盤のことで気になることがあったら安易に巷の情報を鵜呑みにせず,当店で良ければ,ここには書けないことまで(笑)全てご説明しますのでお気軽にお尋ねください。
冒頭に出てきた一般的に思われてるこれらの骨盤のゆがみですけど,これらの原因も仙腸関節です。
骨盤を引っ張ったり押したりしてこれらの骨盤の傾きが改善してもそれは一時的な効果でしかなく,仙腸関節を正しく調整しないとすぐに元に戻ってしまいますよ。