今回は少し踏み込んで,
整体業界の値上げの裏側について書いてみたいと思います。
最近,整体の料金がずいぶん高くなったと感じませんか?
僕が整体を学び始めた10年くらい前は
1回5,000円前後くらいが平均だったと思います。
ところが最近,同じセミナーで知り合った先生たちと
話をしていると,
「今は8,000円以上」
という先生が何人もいます。
中には1回1万円を超える整体院も
珍しくなくなりました。
恐らくは,家賃や光熱費,広告費など,
さまざまなものが値上がりしていることも
理由の一つでしょう。
実際,総務省が2026年8月21日に発表した
7月の消費者物価指数も,
前年同月比1.9%上昇しています。
しかし,実はそれだけではないんです。
もくじ
高くすることで「来る人」が変わる
これはあくまで個人的な考えであり,
整体業界全体を調査したデータが
あるわけではありません。
ただ,料金を上げることには,
客単価を上げるだけではなく,来店する人をある程度選ぶ
という効果もあると思っています。
例えば,5,000円前後であれば,
「ちょっと気になるから一度行ってみよう」
という方も比較的行きやすい金額です。
しかし,これが1回1万円となると話は変わります。
1万円を払って整体を受けようとする方は,
「多少お金がかかってもいいから,この身体を何とかしたい」
という思いが強い方の割合が増えるのです。(憶測ですが)
つまり,価格が一つのハードルになることで,
軽い気持ちで試してみようという人は減っていきます。
実は施術する側にもメリットがあります
真剣に身体を改善したいと思っている方は,
施術についての説明も
しっかり聞いてくださいますし,
必要性を理解すれば
継続して来店される可能性も高くなります。
そして経営面でも,
5,000円 × 100人 = 50万円
に対して,
10,000円 × 50人 = 50万円。
同じ売上でも,必要な施術人数は半分です。
つまり,
料金を上げて,より悩みの深い人に絞って施術する。
これは施術者にとって
身体的な負担も減らせますし,
経営を安定させる一つの方法でもあります。
最近の着衣施術(整体・もみほぐし・足つぼ等)は,
2026年には市場規模が前年比14.5%減少し,
男女とも利用率が低下しています。
利用者を集めることが以前より難しくなれば,
「たくさんの人を安く施術する」
より,
「少ない人数を高い料金で施術する」
という方向へ進む整体院が
出てくるのも不思議ではありません。
では,高い整体ほど良いのでしょうか?
これはまったく別の話です。
料金が高い=技術が高い
とは限りません。
1万円の整体だから改善して,
5,000円の整体だから改善しない・・・。
というものでもありません。
当店では現在,初回5,200円で施術しています。
当店も,料金を上げて
客層を絞るという考え方は理解できます。
整体は実際に受けてみなければ,
自分の身体に合うかどうか
分からない部分があります。
最初から1万円となれば,
「気になるけど,ちょっと高いな……」
と,その一歩を踏み出せない方も出てきます。
こうして整体料金が上がっている背景には,
単なる物価高だけではなく,
「どんな人に来てもらいたいのか?」
という整体院側の経営方針も,
少なからず関係しているのではないかと
そんなふうに感じています。
【参考】
・総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年7月分」2026年8月21日公表
・株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期 リラクゼーションサロン編」2026年6月25日公表

