もくじ
整体を長くやっていると,だんだんと
「治りやすい人」と「治りにくい人」の違いが
わかるようになってきます。
「治りにくい」タイプの人は
色んなパターンがありますが
今回は個人的に
もっとも難しいタイプの人の話です。
当店では,身体全体の状態を把握するために
施術の前には
いつも全身の筋肉の張り具合をチェックします。
大抵の人は硬くなった部分を摘んだりすると
痛がりますし,痛くなかったとしても
硬くなってることは,わかります。
しかし,中には明らかに
筋肉が硬く緊張しているにも関わらず
それをお伝えしても
「そんなに硬いですか?」
とピンと来ていない方がいるんです。
それどころか,その硬い部分を
かなり強く押しても摘んでも
全く痛みを感じない方もいます。
これは,全部がそうではありませんが,多くの場合
これまで受けてきた治療やケアによって
「身体に“耐性”がついてしまっている」
ことが原因のひとつです。
「とにかく今すぐ楽になりたい」
そんな思いから
マッサージや電気治療,ストレッチなど
その場しのぎ的なことを
試されてきた方は多いと思います。
しかし,それを繰り返すうちに
身体が「刺激に慣れて」しまうのです。
悪い言い方をすると
治してるつもりが
実は治っているのではなく
少しずつ壊されているのです。
薬の例で言えばわかりやすいと思います。
痛いからといって
毎日のように「痛み止め薬」を飲み続けていると
次第に効き目が悪くなり
やがて内臓にまで負担をかけてしまいます。
筋肉も同じです。
「すぐに楽になりたい」という感覚を追い求めすぎて
その場しのぎのことを繰り返すうちに
マッサージや電気治療,ストレッチなどが
効かなくなり,さらには
筋肉の感覚そのものが鈍くなっていきます。
結果として
筋肉が硬くなっているのに自分で気づいていないのです。
そして,これが治りにくしている最大の要因です。
後編では
なぜ,この状態の人が治りにくいかを話します。